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2023/05/01

【必須条件】

英語で本が読めるくらいのレベルになって来ると、初級・中級の学習者とはまた別の壁にぶち当たる。

そう、英語の中に更に外来語が混ざって来るのだ。
例えば『必須条件』などを表す “sine qua non” や、『自由放任主義』などを指す “laissez-faire” など。

前者の “sine qua non” はラテン語で「あれなければこれなし」という意味である。
何かが存在しなければ、成り立たない…すなわち必須である、ということだ。
法律学などでよく使われるそうで、それまでサクサクと読んでいた本にこのような表現が出て来ることで、混乱する人も少なくない。
なぜ、ここで通常の英語表記で “essential condition” や “prerequisite” などを使わないのか?
だがその心境は、学んで理解した途端にビジネスでも会話でもカタカナ語を使いたがる日本人には、よくわかるのではないだろうか。

… though acting like a know-it-all is NOT a sine qua non for being smart!
(…賢明であるために知ったかぶることは必須ではありませんけれどもね。)

後者の “laissez-faire” はフランス語で「なすがままにさせよ」という意味で、こちらは経済学用語である。
本来は「残す」または「放っておく」を意味する動詞 “laisser” と、何かを「する」を指す動詞 “faire” を組み合わせて「任せる」となるのだが、この命令形が英語圏に渡って(正確にはイギリスのアダム・スミスに主張されて)以来、『自由競争主義』や『自由放任主義』という意味として使われている。

実はこの他にも「明白な」や「一見したところ」などを指すラテン語の “prima facie” などもある。
反証されない限り事実を立証する「一応の証拠(prima facie evidence)」は判決の根拠として十分な証拠である…と刑事・裁判ドラマでもよく使われることから、必ずしも専門用語の扱いばかりでもない。

英語を学ぶだけでも他言語についての知識が身に付くのですね。

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