【遠慮】

ヨーロッパのクライアントに
「(弊社クライアントが)遠慮して言わなかった」と伝えようとして、はたと考えた。

遠慮したことを伝えることはできるのだが、
きっと先方は「なぜ」遠慮が発生したかを理解できない。
そのような文化・発想やマインドがないからだ。

さて、そんな時はどうするのか?
一言に『遠慮』と言っても、いくつかの意味がある。

・断る
・控える
・謙遜する

ここで、謙遜の概念がない英語圏の人々に通じない意味合いは
やはり3つ目の「謙遜」である。

「断る」場合には、『遠慮』の気持ちの有無に関わらず、
“no thanks” “decline”・”pass” などを使って
丁寧に、でもハッキリと断れば良い。

「控える」場合には、理由とともに何をどのように控える(refrain from)のか伝えれば良い。
だが、「謙遜」の場合には、やはりその裏に隠れた思いがある。

・控えめ(be modest)にした方が良いのではないか
・つつましく(be humble)した方が良いのではないか
・ガツガツしない(hesitate)方が良いのではないか

…この三つなどは、大きな枠では同じような意味合いに思えるものの、
表記のとおり使う英単語が違う。
そして、特にビジネスにおいては
言うべきことをハッキリ言うことが当然と考えている欧米人に対して
余計な遠慮をすることは、単純に誤解を生じる結果となる。

上記の “modest”・”humble”・”hesitate” などはまさしく、
ビジネスにおいて使うに「ふさわしくない」単語なのである。

冒頭に戻る。
ヨーロッパのクライアントに
「(弊社クライアントが)遠慮して言わなかった」と伝えようとして、私はどうしたか。

Our client felt bad to ask you for so many favors.
(弊社クライアントは御社に頼みごとばかりしてはならないと遠慮しました。)

遠慮のカケラもないドストレートな文章が仕上がった。

ただ、これで先方はこちらが何を言わんとしているのかを非常によく理解してくれ、
優しい言葉が返ってきたのである。

日本の文化が先方に理解されるか否かも、ビジネスシーンでは考えるべき事項ですね。

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