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2020/04/16

【弁護士】

日本では『先生』と呼ばれる職業(師士業)の方々は一般的に尊敬の念を持たれることが多い。
かなりの努力をされ、勉強をして資格を取った後も更に勉強を続ける方々なので、
ある意味当然だろう。

不思議なことに、アメリカではあまりそのようなイメージがない。
むしろ私は何度か聞いたことがある、その逆を示す会話を。

元々、私は20年近く武道をやっていた。
道場の師匠は元軍医で、優しくも厳しく聡明な方だった。
師匠の奥様も軍医で、二人とも退役後は地元の大病院で働いていた。
その関係で、道場の稽古仲間には医師・看護師・病院スタッフが多かった。

アメリカという国は元々が移民の集まりであるにも関わらず、
差別も偏見もなかなか消えない・なくならない。
それでも、医療関係者はどちらかと言うと、一般的な米国民よりは偏見の少ない人たちだった。

ある日、子供の頃からその道場で稽古をしていたが、
遠方の大学に進学した生徒が長期休暇中に道場を訪れた。
そんな彼女に師匠と数名の師範代が訊いた。

師「で、お前は卒業したら何になるんだ?」
子「弁護士になりたいです」
師「弁護士?なぜ?」
子「この世にはもっと正義が必要だからです」
師「だったら、もっと別の職業を選べ。弁護士は嘘つきがなるもんだ」
師「そうだぞ、お前の父親(医師)もお前を嘘つきに育てた覚えはないはずだ」
などなど…。

こんなショッキングな会話を聞いて以降、私はもっと一般世論を聞こうとしてみたが、
一定数のアメリカ人が同意見だった。

『政治家と弁護士は嘘つきがなるもんだ。』

更には、そんな酷い偏見を持っている人たちは声を揃えて「偏見は悪」と言う。
彼らが持っているそれを偏見と思っていない。
正確な統計を取ったことがないのでわからないが、
もしかすると教養の高いアメリカ人の多くが、このような偏見を持っているのかも知れない。

所変われば…職業のイメージすらも、変わってしまうのですね。
でも、私が仕事を依頼したアメリカの弁護士たちは、
やはり尊敬に値する素晴らしい仕事をしてくださる方々ばかりでした。

早くそんな偏見はなくなれば良いのですが…。

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