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2021/02/02

【初心】

これまでにも、日本語にしかない概念から来る言葉として
もったいない」や、
「いただきます」「 お疲れ様でした」「いってらっしゃい」などを挙げて来た。

先日、「日本語の奥の深さ」について復習する機会をいただいた際に
『初心』という言葉も日本以外ではあまり聞かない…という解説が目に止まった。

はて。考えたことがなかった。

確かに英語では「これ!」という訳語は見当たらない。
さらには、英語圏の人に尋ねても
その概念そのものを大切にしていないことも事実。

そのため、彼らにとってそれがどういうものなのかを
考えたこともないということになる。

英語で言い表すことは容易だが、
その概念が持つ意味合いを考えると一瞬、悩んでしまうだろう。

英語の対訳として考えられるのは、

・basics
・original intention
・original resolution
・first objective

…何ともドライな言葉が並ぶ。
『初心にかえる』とした場合でも、

・go back to the basics
・go back to one’s first objective
・rediscover one’s original intent
・reset oneself


日本語で言うところの
「初めの頃の純真な気持ちを思い返す」意図を汲むことは、到底できない。

そもそも、日本語の『初心』にしても
「最初に思い立った時の純真、新鮮で謙虚な(世間ずれ・世慣れしていない)気持ち・心。最初の決心」
を指して使うことが多いが、
本来の意味は「己の芸・術の未熟さ」であると言われる。

さらに『初心にかえる』においては
「未熟な頃のみっともない芸・術を忘れることなく、向上するための判断基準とすること」となる。
(日本語においては「初心に帰る」なのか「初心に返る」の議論すら、ある。)

ここまで来ると英語での説明が大変…と言うよりはむしろ、
その意図の説明は必要なのか?というところだ。
英語というドライな言語を操る英語圏の人たちからすれば結局、
単純に “Just go back to the basics!” と言うのが一番しっくり来るのかも知れません。

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